ハワイの感染拡大はそんなに危険か
Beyond Media編集部
ハワイ州サイトより
日本の報道をみていたら、ハワイは感染者が拡大し、死亡者数も急増、と伝えていた。
いや、それはどうなの?と思い、改めてデータを元に考えてみた。
ハワイは日本の人口の100分の1、だから発表数字を100倍するとすごいことになっている、というのが報道の趣旨だった。しかし、単純に人口比だけで語ってよいのだろうか?
まずは現段階のハワイ州の感染状況を確認しておく。
9月3日のハワイ州感染者数
新規感染者数 211 人(前日比 -128)
累計感染者素 9,202人
入院患者数 573 人
退院者数 2,778人
死亡者数 79 人(+4)
ハワイ州の感染者数累計のうち9割がオアフ島である。もちろん人口が圧倒的に多いからである。このオアフ島は8月27日から、ロックダウンとなっている。このロックダウンの少し前から確かに感染者数は増えている。
2週間のロックダウンを契機にオアフ島ではCOVID-19検査を急激に拡充している。無料で9万の検査キットを用意し、住民に検査を呼びかけている。
オアフ島を南北に走るハイウェイ3(H3)を8月31日に、大胆にも一部片側車線を閉鎖し、ドライブスルーによる大規模検査を実施した。また9月2日はアロアスタジアムでやはり大規模検査を実施した。今後も積極的に検査を実施していくという。
ハワイ州のイゲ知事は「今後、検査数を急拡大させるため、感染者数は拡大するかもしれないが、心配しないでほしい」と事前のアナウンスがあった。
確かに死亡者数が少しずつではあるがここ最近、増えている。具体的な情報をみると多くが老人ホームなどの高齢者である。1日に3~4人が亡くなっているが、これを単純に人口比で東京で考えれば30人、40人、あるいは日本全国レベルなら300人レベルが亡くなっている、と決めつけるのはやめたほうがよいだろう。統計的な有意性があまり感じられない。
さらに日本や東京と、ハワイを比べる際、土地の面積や人口密度も考えたほうがよいだろう。
ざっと示すと
ハワイ州の面積は1万6635平方kmで東京都の約7.6倍。
ハワイ州の人口は約140万人で東京都の約10分の1。
つまり感染者数は明らかに東京を上回る検査数によるもので、死亡者数は1日3,4人ということであれば、これだけの雄大な面積を誇っていれば、それほど怖いものではないと考える。
それよりも何より、世界有数のリゾート地であり、観光地であるハワイ経済のほうが心配である。ハワイ州のGDPの25%を占めるともいわれる観光業、及び関連産業のダメージがあまりにも大きい。ホノルルのダウンタウン近くにはホームレスのテントもかなり増えている。
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