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中華思想への復古は危険な思想

中島精也 福井県立大学客員教授

7月1日の香港返還記念日の前日に「香港国家安全維持法」が全人代常務委員会で成立し、「一国二制度」は香港返還条約で定めた50年でなく23年で幕を下されました。


「一国二制度」を蹂躙 された英国のジョンソン首相は香港市民に英市民権取得に道を開くことを示唆していますが、 英政府中国担当者に聞くと「EU離脱で英国の外交力が弱まったこと、米国との関係が強いわけではないことから、中国との全面対決は英国を孤立させるだけ」と対決姿勢には及び腰です。


丁度、今日、「世界の歴史13 帝国主義の時代」を読了しましたが、帝国主義の特徴として「現地政府や有力者に借款を与えたり、民間資本を貸し付けたりして、かわりに鉄道敷設権

だとか、鉱山開発権や築港権だとか、場合によっては租税徴収権などの特権を現地政府から譲渡させ、あわよくば現地権力者の弱みに乗じて、その地域をまるまる従属させ、保護権だとか占領行政などを施行して自分の勢力圏におさめこんでしまう」との説明がありました。


昔、中国が列強にやられたことですが、今の中国の「一帯一路」の進め方もこれと良く似ており、中国が帝国主義的な行動を取っていることが伺えます。


更に中華思想について「昔から中国人には自分達だけが文化人であり文化国家を形成するものとして、自分を中華とあがめ、自分達と文化の違うものはみな野蛮人であるとして、戎(じゅう)、狄(てき)、蛮(ばん)、夷(い)と卑しむ風があった。またそこには世界のすみずみまでも中国皇帝のものであるという考え方が存在する」とも記述があります。


中国が主権を唱える南シナ海の「九段線」は国際法違反とハーグの仲裁裁判所が判決を下していますが、中国がこれらを無視しているのは中華思想からすれば的外れと映るからでしょう。

習近平国家主席の中国の夢は中華思想への復古そのものですが、ナショナリズムの高揚という時代錯誤も甚だしい危険な思想にみえます。


これではこれまで改革開放路線を評価して中国に投資してきた世界の多くの国はグローバルサプライチェーンの見直しに動かざるを得なくなるでしょうし、米国はドル使用の制限など対中金融制裁に進むことでしょう。


香港国家安全維持法の強行は「傍若無人な中国」という悪いイメージを与えてしまいました。中国経済は経済発展に不可決な国際金融面での資金調達に苦しむことになり、成長減速が進行するでしょう。その裏返しとして、米中冷戦の激化、アジア地域における緊張激化が進むことが多いに懸念されます。

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