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執筆者の写真Beyond Media

80年前の12月8日

writer: Mari Adachi Editor-in-Chief of Beyond Media

80年前のこの日は、太平洋戦争が始まった日。本当にこれをしっかりと語りついでいかないといけないと、最近強く思う。どんどんあの当時を知っている人がこの世を去ってしまって、伝えていくのが難しくなっている。

あの日の悲劇がどのように起こったのか、そしてその後の苦しんだ日々、そこから私たちは何を学んでいるのか、本当にちゃんと学んでいるのか・・・常に振り返る必要があると思う。


私のライフワークは「平和への貢献」。私がジャーナリストたるゆえん、とも言える。

平和に貢献したい、という気持ちは実際、大学の時、アメリカに留学したことから始まった。

正直、日本にいた時、小学校~高校まではあまりそういうことは考えていなかった。

それって本当はダメなんだと思う。子どもの頃からちゃんと平和教育ってしたほうがいい。


アメリカに行った時、大学の授業で日本について聞かれた。戦争のこと、原爆のことも。

その時にアメリカ人の多くは「原爆によって、戦争を終わらせることができたんだから、よかった」と言っていた。なんか、原爆容認論、という感じがして、すごく嫌だった。「絶対原爆は良くない、同じ人間にあんな卑怯な武器を使うべきでない」とはいえたものの、その時は、それ以上、ちゃんとアメリカの人たちを説得するだけの力がなかった。

そもそも自分がちゃんとその現実を知らなかったし、当然、学校でも特に学んでこなかったし、説明できるだけのしっかりとした情報すら持ち得ていなかった。正直、悔しかった。

でも、ドイツからきた留学生はちゃんと自分たちの過去をしっかり説明することができていた。ナチスの犯した罪、そしてドイツ政府がどうそれに向き合ってきたのか、そして今はどういう教育をされているのか。。。すごいと思った。さすがだった。


ドイツでは感情論だけではなく、ちゃんとデータや史実に基づいて、子供の頃から平和教育というものを受けていた。今の日本にも必要な教育なんだと思う。

戦争を起こすまでの過程における戦争責任は、細かく分けた方がいい、と今年亡くなった作家の半藤一利さんは常々言っていた。


昭和6年(1931)の満州事変から、昭和13年(1938年)の国家総動員法を通過させ、そして太平洋戦争を起こすまで、重大な責任は軍部にある。これは間違いない、と半藤さんは言う。


さらに政治家にも責任があるのが、(日独伊)三国同盟を結んだこと。その誤った判断の上に南部仏印に進駐するというバカな判断を重ねていった。その結果、アメリカから石油の全面禁輸となり、もう戦争だ、戦争だと勢いがつき、平和を求めるなんて気持ちがなくなったことから言うと、国民にも責任はあるかもしれない、と指摘。


でも国民をそういうムードに持っていったという点ではマスコミにすごく大きな責任がる。あの戦争をやはりちゃんと知って、失敗から学ぶことが大事だと私も思う。12月8日はとにかく学ぶ日にしたい。

半藤一利さんは「メディアがまた頼りなくなっているし、世界情勢に疎すぎる」と生前おっしゃっていた。そもそも「メディアにとって、戦争はいい商売になるんだよね」ということも言っていた。

昭和8年に日本は国際連盟から脱退。その時は斎藤実内閣。のちに二・二六事件で殺された人。(実は私の曽祖父、鈴木貫太郎も2・26の際、襲撃された。一命を取り留めたが、重傷を負った)

どちらかと言うと、斎藤実内閣は、穏健内閣だったので、国際連盟を脱退しないという方針に踏みとどまっていた。でも、閣僚には脱退派が山ほどいて、大論議が起きていた。

そんな時に、政府の尻を叩いて、早く脱退しろと唱えたのは実は、新聞社だった。

全国の新聞社130社余りが合同で声明を発し、「日本はもう独自の道を歩いた方がいい」だとか、「何も米英のあごに使われる必要はない」と言って、脱退を促していた。国民もこれに喝采。余計、新聞は煽った。

そんな新聞をはじめ、今のメディアに対して、半藤さんは生前、「頼りなく危なくなっていると感じている。特に世界情勢に関して日本の新聞は疎い。当時も無知だった。スターリンとかヒトラーという人物について、ほとんど理解していなかった。政治家も軍人も新聞人もそうだったし、今もそんなに理解していないのではないかと思う。」と。

そうしたお話を聞いていたので、私はできるだけ世界情勢については知っておこうと思っている。こうしてラジオでもみなさんにできるだけ、幅広い情報を提供したいなと。

人は忘れる。そこで「人間は誰も歴史に学ばないというのが、最大の歴史の教訓だと、半藤さん。さらに、大多数に流れるのはラク、だけど、常に冷静に考える力が必要なんだと思う。

フェイクニュースも溢れる現在、何が正しいのか、そして忖度しない情報はなんなのか、

考えるようにしていきたい。日本で起こっていること、そして世界で起こっていること、できるだけ視野を広く持って冷静にいきたい


〜ラジオ川越12月6日の放送より〜

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