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執筆者の写真Beyond Media

FBへの広告 取りやめ相次ぎザッカーバーグ氏が声明

Mari Adachi Editor-in-Chief of Beyond Media

ヘイトスピーチや虚偽の投稿に対する対策が不十分である、という指摘から、相次いでフェイスブックへの広告掲載を取りやめる企業の動きが広がっている。


人種問題で企業が極めてナーバスになっているいま、次は自社の広告の出稿場所もブランドを傷つけてしまうかもしれない、と企業は考えているのだ。


そもそもは全米黒人地位向上協会(NAACP)や名誉毀損防止同盟(ADL)などの団体が、ヘイトスピーチや誤った情報に関して、フェイスブックがほとんど対応してこなかった、と発表したことから始まった。NAACPなどの人権団体はこれまで数年に渡ってフェイスブックと協議をしてきた、と説明している。ADLは6月17日のロサンゼル・タイムズに全面広告を出し、企業はフェイスブックへの広告掲載をボイコットするべきだと訴えた。彼らは「#StopHateforProfit(ヘイトを利益にするな)」というキャンペーンを始めた。

(ADLの声明はこちら)。


フェイスブックも「ヘイトスピーチや虚偽投稿については削除し、可能な限り対応している」と述べている。しかし、いまこのご時世である。人種問題だけでなく、人権、フェイクニュースに関しては風当たりが強い。


また先日のツイッター社とも比較されている。ツイッター社はヘビーユーザーである、ある意味上顧客であるトランプ大統領のツイート内容について注意喚起をして、堂々と「いちゃもん」をつけたのだ。これにはアメリカ市民からも「よくやった!」「大統領にたてつくとはすばらしい」と賛美する声が多く上がった一方で、「言論の自由を奪っている」「自由に発言できるのがSNSのメリットなのに」など批判も聞かれた。


しかし、このツイッター社の思い切った判断は今の世論には受け入れられているようだ。一方、二の足を踏んでいたフェイスブックには、世論の目はますます厳しくなっている。最大の収益源である企業や広告主がいま、次々と広告停止を発表している。


広告の掲載停止を発表したのはアウトドアブランドの「ノースフェイス」や「パタゴニア」、アイスクリームブランドの「ベン&ジェリー」や「コカ・コー」など大手企業が相次いでいる。さらに、日用品大手の「ユニリーバ」はフェイスブックとツィッターについて、年内の広告は中止することを明らかにした。日系企業では米国ホンダも広告の見送りを発表しており、多くの企業からボイコットが起こっている。 

(パタゴニアの声明はこちら)(ベン&ジェリーの声明はこちら


一連の動きを受け、6月26日、フェイスブックは有害となりそうな投稿についてはラベルをつけ、警告すると発表した。これによりトランプ大統領の投稿にも場合によってはラベルをつけることが可能になる。(フェイスブックのザッカーバーグCEOの声明はこちら


果たしてこれで広告ボイコットの流れに歯止めをかけられるか、しばらくブランドイメージを守りたい企業との攻防は続きそうだ。


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