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ジャニーズ事務所の会見を見て

writer Mari Adachi Editor-in-Chief of Beyond Media

10月2日のジャニーズの会見を見て感じたことをここでまとめておいたい


全体的としてはまたしても茶番の延長だった、という感想。肝心のところ、核になるところの言及は避けていた。前回の会見以来、相当批判を浴びた「社名変更」について、何とか答えを出しました、程度だった。さらに言えば、被害者への配慮、特にファンたちによる異常なまでの狂気的な被害者への誹謗中傷について、しっかりと警鐘を鳴らしてほしかった。本当に被害者のことを思うのであれば・・・。そういった真の配慮がみられない「表面上」の残念な会見だった。もう少し細かくみてみたい。


「1社1問」なんてルール、本来ない

どういう経緯で記者側が了承したのか、しないのかは現場にいなかったのでわからないが、基本、記者は質問をして、その答え次第で突っ込むのが当たり前(これを「更問い*」ともいう)。そうでないと、会見をする側はのらり、くらり、その場をうまくやり過ごすことは間違いない。だって、突っ込んだ質問が次に来ないのだから。それをやらせないのが「ルール」になっているのであれば、記者側は会見を拒否した方がいい。もしもそれが何らかの忖度か圧力によって不可能であれば、断固、記者は協力して次々と突っ込んでほしい。そういうマインドが働いていなかったのが極めて残念だった。

*ちなみに「更問い」という言葉が流行したのは菅総理の頃の2021年。首相官邸の会見で追加の質問をさせない、「更問いをさせない」という勝手なルールから来ている。


仕切りも悪すぎ

どうせたくさんの質問があるのがわかっているのだから、座席に番号を振っておいて、「何番の人」と指していけばいい。めちゃくちゃ仕切り悪すぎ。そして司会者もうまく、質問を取り込んで、間にうまく挟んでいくべきだろう。中にはYouTuberも参加していて、彼らの主張の場、あるいは宣伝の場にもなっていたという指摘がある。そういうのはやはり、司会がズバッと仕切るべきだろう。元公共放送のアナウンサーが司会をやっていたようだが、記者会見の上手い仕切りとは言えない。


質問の質も悪すぎる

質問は端的に鋭く、というのが鉄則。どういう立場の人が質問をしているのか不明だが、記者側の質が大いに問われる。しかも今回の記者会見はほぼ全部、生中継で垂れ流しなので、かなり多くの視聴者が目にしたわけだが、ああいう記者会見だけが、通常の記者会見だとは思ってもらいたくない。そういう点でとても残念。


肝心の質問ができていない

ジャニーズ事務所は補償会社に徹して、タレント事務所としては新会社を設立する、とのこと。では果たしてこれまでの膨大な著作権はどうなるのか、特に退所したタレントの著作権。今後のガバナンスの方向性、新会社の具体的な株主構成や割合はどうなるのかなどなど。記者側もしっかりと突っ込めていない感が否めない。ジャニーズ事務所側もそこまで用意しておいてほしかった。何より、新会社がまた同じメンバーで経営となると、結局体質としては何も変わらないのではないだろうか。なぜ外部から招聘しないのだろう。経営やガバナンスのプロを入れた方がもっと変われるのに。ちなみにずっと使っている顧問弁護士チームは、全く機能していないと言える。ここまで全てを放置してきたのだから。


弁護士の対応も悪い

そして何より、今回の会見に同席した弁護士先生たち。元日本マイクロソフト社長である成毛眞さん曰く「まずは顧問弁護士を変えた方がいいな@ジャニーズ。会見のサポートになっていない。ここまで言語脳が弱い弁護士は珍しいかも」。全く同意。会見にうまく対応できていない。先回りして回答することもできていない。何より話が下手。これでは実際の裁判でも対応は難しいだろうなあと思ってしまう。


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