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9月入学の前にやるべきことを

writer Mari Adachi Editor-in-Chief of Beyond Media


いま、日本では大学などの9月入学に関する議論が上がっている。

しかし、その前にやるべきことを改めて考えてもらいたい。


私はアメリカの大学を卒業した。その経験から、アメリカの教育システムと比較して考えたい。9月入学ありき、ではなく、グローバルレベルでの教育システムにしていかないと何も意味がない。この点についてはオンラインインターナショナルスクールを運営している Ed Matsudaさんもnoteにて詳しく書いている。


アメリカではまず、入学金はもちろん、半年や1年の授業料先取り的なものはない。単位当たりいくら、というのが決まっている。10単位取れば10単位分の授業料、20単位取れば20単位分。これがどういうことかというと、今学期は勉強を頑張るので多めに単位を取ろうとか、バイトを頑張るから単位を少なめにしようとか、あるいは今学期は完全に休んでしまおう、などフレキシブルにできるのだ。


また、取得した単位は基本、どこの大学でもトランスファー(編入)として持っていける。なので、一度入学した大学に満足しない場合は1学期をいくつか単位を取って、別の大学に転校、なんていうこともできてしまう。もちろん、1学期で取得した単位は基本、無駄なく持っていける。これが意味することは、自由に大学を移ることができ、授業料も単位に応じて払うので、大きなロスはない。


果たして日本の大学でそういった臨機応変な対応ができるのだろうか。


今、大学生がこのコロナでバイトができず、授業料が払えず退学の危機に面しているという。こんな時こそ、アメリカ式の大学運営を考えるのが先ではないだろうか。9月入学なんて、いま急がなくていい。目の前に困っている生徒たちにこそ、手を差し伸べるべきだろう。授業料も取った単位分だけ、しかもその単位はどこにでも持っていける、あるいはいつまでも保留できる、としてあげたら、もしかしたら苦学生はコロナが収束し、バイトをしてある程度、授業料を稼いだらまた学校に戻ればいい。あるいはより学費の安い大学に編入してもいい。


それこそがグローバルスタンダードなのではないだろうか。


日本のガチガチの教育システムには正直うんざりしていた。これを機にぜひ、正しい改革をしてもらいたい。生徒にとって何が一番必要なのか。入学時期のタイミングではない。少なくても今は。単位の移動や授業料の多様化、さらに言うなら入学は簡単に、そして卒業は難しく、というものにするべきだろう。これらのポイントを改善するだけで、海外からの留学生も来やすくなるだろう。それによって学生たちの活性化もはかられる。


確かにいま、アメリカの大学は授業料の高騰が大きな社会問題になっている。なので、すべてアメリカが素晴らしい、というわけではない。ただ、いくつかのポイントはマネするに値する。進んでいるシステムを持っている国や社会はぜひマネしてもよいのではないだろうか。


オンライン授業もそのひとつ。コロナ禍でアメリカはいち早くオンラインでの教育に切り替えた。もともとオンラインで様々なことを実施していたため、移行は早かった。小学生からオンライン授業がてんこ盛りだ。子どもが小さいと親の負担も大きく、保護者からの悲鳴も多く聞かれたが、日本はどうだろう。私の知り合いの範囲では、小学生でオンライン授業を受けているのはごく少数だ。多くがプリントを渡されて、それをやる、とかドリルをやっていく、などなんともアナログ極まりない。


そこからしてまったくもってグローバルスタンダードではないのだ。

9月入学ばかりを議論するのではなく、今こそ、今そこにある問題をちゃんと解決していってもらいたい。子どもたちの学びの時間がどんどん失われていっているのだ。無駄に議論をしている時間はない。

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